築年数とイコールではない、ヴィンテージマンションの老朽化

高層マンション

 

ヴィンテージマンションとは年月を経て価値を増したマンションのことです。
「新しいか、古いか?」と聞かれれば、もちろん「古いマンション」です。
これは誰も否定できません。
しかし古いから老朽化しているかと言えば、それははっきりと否定されます。

もちろん年月が経っているため耐震性に不安という方もいらっしゃるでしょう。
水周りトラブルが心配だという方もいらっしゃるでしょう。
このページでは、ヴィンテージマンションの老朽化についてその現状を紹介いたします。キーワードは「管理体制」です。

 

 

★高めの管理費でヴィンテージとしての価値を維持

 

同時期に建てられたマンションでも、ヴィンテージマンションのようにその価値をとどめている物件と、そうでない物件があります。
その差を生み出したのは管理体制に他なりません。
適切なメンテナンスが施されていれば、建物の老朽化は防げるからです。

ヴィンテージマンションは一般的に管理費が高いと言われます。
しかし、管理費を元に適切な補修が行われてきたからこそ、ヴィンテージマンションはその価値を保ってきたのです。

つまり「築年数=老朽化」という図式はこのヴィンテージマンションには当てはまらないのです。

 

 

★新耐震基準をクリアするヴィンテージマンションも

 

とは言っても気になるのは耐震性です。日本の建築基準法は1981年に大きく変わりました。それが「新耐震基準」です。つまり1981年を境にしてマンションの耐震性は違いがあるのです。

ただし、これは一般論です。ヴィンテージマンションが建てられた当時、日本はマンション黎明期でした。
この時代、高い安全性を求め、必要以上に耐震性を強くして設計したという背景があります。
実際、築50年近いヴィンテージマンションが新耐震基準をクリアしていた、という例も少なくありません。

また老朽化によって耐震性が低下しないよう、また耐震性を向上させるため管理組合が補修を順次繰り返している物件も数多く存在しているのです。

 

 

★見えない部分の老朽化も防ぎ、トラブルも回避

 

マンションの老朽化でもう一つの問題となるのが水周りです。
一般的に給排水管は20〜30年が寿命と言われており、メンテナンスが不可欠です。
20年以上の物件には銅管が使われている場合もあり、サビの発生により腐食が進んでいるケースもあります。

しかしながら、ヴィンテージマンションの価値が下がらないのは、こうした見えない部分のメンテナンスもしっかりとしているからでもあります。

ただし、購入を考えている方はやはり確認は欠かせません。建設当時の工法が複雑で、メンテナンスや修繕が困難という事案も報告されています。
購入前には修繕履歴などをチェックする慎重さも持ち合わせましょう。