圧倒的な風格を与える外観デザインの特徴とは?

川縁の高層マンション

 

「堂々たる風格―」。ヴィンテージマンションを見て抱くのは誰でもこの感想でしょう。

マンション黎明期には欧米式デザインが数多く輸入されましたが、入ってきたのはそれだけではありません。「家は熟する」という価値観もともに輸入されています。
こうした価値観を備えたマンションだからこそ、ヴィンテージマンションは年月とともに風格を携えていくことができたのです。
では、ヴィンテージマンションの外観にはどのようなデザイン的な特徴があるのか。具体的に見ていきましょう。

 

 

★どっしりと重みのある外観デザインで安定感を演出

 

ヴィンテージマンションの外観デザインを語るときに外せない特徴がその風格や品格です。
重厚感漂うどっしりとした外観フォルム。
タワーマンションにはないこの安定感ある建築コンセプトが落ち着いたイメージを生み出しているのです。

外壁のカラーはダークブラウンなどの重みのあるものが特徴。
タイル貼りやレンガ貼りによってアンティーク感を演出しています。

その代表的なのはなんと言っても「ドムスシリーズ」でしょう。
一目でブランドが分かる独創的なデザインこそがヴィンテージマンションの証なのです。

 

★異国文化を取り入れ、情緒あふれる外観イメージに

 

日本でマンションが建設され始めたのは1960年代前半から。
東京オリンピックを契機に異国文化が数多く輸入されていた頃です。

この頃の代表的なマンションブランドと言えば「秀和」シリーズです。
白いスタッコ調仕上げの外壁に青瓦の屋根という個性的なデザイン。
南国のリゾートホテルのような異国情緒あふれる外観もヴィンテージマンションの大きな特徴です。

外国人向けに建てられた「ホーマット」シリーズのデザインも特筆。
日本庭園を設けるなど、日欧が融合されたオリエンタルな雰囲気を持つヴィンテージマンションも印象的です。

 

 

★建築家のセンスが感じられる特徴的な外観フォルム

 

「ヴィンテージマンションらしい外観」と言えば、目を奪われるような個性豊かなデザインです。交互に配置したり、せり出したバルコニー、また段違いに設置されたハイサッシなど、各部が主張するようなデザインは今のマンションにはありません。

マンション黎明期の特徴は、有名な建築デザイナーが数多くのマンションを設計していることです。大衆化した今とは違ってマンションが高級品だった時代。当時の建築センスをふんだんに盛り込んだからこそ、このような圧倒的な存在感が今に残っているのです。