ヴィンテージマンションの建て替えに反対するのはオーナーだけではない?

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ヴィンテージマンション、古くても価値が高いという事から多くの指示を得ているという反面、問題点もあります。

それは、築年数の経過とともに考える必要性の出てくる建て替えのこと。

ヴィンテージマンションのオーナーとしては、実は建て替えること自体、口では考えているといっても心の底では反対だと思っているケースもあります。

所有者から見た観点での、その心情に迫ってみました。

 

★建て替えにかかるコストを考えるとできる限り修繕で対応したい

建て替えの費用を考えるととんでもない金額がはじき出されるという事。潰すことはもちろんのこと、建築廃材の処理や周辺住民への説明、新築マンション建設のための大きなコスト。それらを考えると途方もない値段になります。

建てた後に家賃収入で回収という事が至上命題ですが、実際何年もかけて元を取るという事になります。建て替えた場合、建て替える前と同等の家賃収入を得るとするならば、相当の賃料を上げなくてはいけない場合が考えられます。

なぜならば、建ぺい率の関係で壊す前のものと同じ広さ、同じ戸数で作るのは無理だからです。

そういったことを考えると、今現在赤字が出ているわけではないので、オーナーとしては建て替えに反対することが考えられます。

 

★家賃収入の激減によるキャッシュフローの悪化

前述のとおり、建て替えにおけるキャッシュフロー悪化が考えられます。賃料が上がるなら、他に行くという方も少なからずいるでしょう。

戸数が少なくなり、狭くなり、新しくはなるけれど賃料は変わらないことはない…。むしろ上がる可能性の方が高い。

そんなリスクを背負ってまで、建て替えるメリットは無いような気がします。もちろん建て替えないリスクもあるという事に変わりはありませんが。

今のままで十分のキャッシュフローが得られるというのであれば、これが減るというリスクを受け入れてまで、建て替えるという選択をする人は少ないでしょう。

賃料を下げてまでそのまま住んで欲しいという考えのオーナーもいるかもしれません。

 

★住人に対する配慮を前面に押し出すオーナー

金銭的なリスクだけでなく、やはり重要なのは現状住んでいる方々のことを考えると建て替えることに反対する場合が多いと思います。

住み易さの観点はもちろんのこと、思い出がいっぱい詰まった、お金に変えることのできないヴィンテージマンションは、オーナーだけでなくその住民も建て替えることに反対だという人も出てくるでしょう。

 

★ヴィンテージマンション建て替え懸念まとめ

ヴィンテージマンションの建て替えを考えるととてもハードルが高いです。長く存続させるために工夫され、行き届いた管理と保全。そして、快適な住環境。それらを変えないためにも反対する人が多いと思います。

マンションすべてにおいてに考えられる問題点である建て替えの問題。

建物はオーナーの所有物と考えがちですが、生活に密接した建物、ましてや多くの方から愛されたヴィンテージマンションともなれば、聞かなくてもわかりそうですね。